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厳しい物資統制が敷かれた時代の通称“大戦モデル”

投稿者 : 白水健寛 on

前回の続きになります。

1930年代末、ようやく大恐慌の余波から脱したかに見えたアメリカでしたが、いつまでもデュードランチのノスタルジーに浸ってもいられない冬の時代に再び突入していきます。

© James Cox

1939年の英独戦争を皮切りに1945年まで続いた第二次世界大戦が開戦すると、多くの資源が軍需へ回され、庶民の生活にも当局による厳しい物資統制が敷かれました。

もちろん被服産業への影響も大きく、独自のディテールワークや各種特許で競い合っていたワークウェアも簡素化が余儀なくされ、大量生産可能な既製部材、あるいは余剰部材の使用が事実上義務付けられた時代でもあったのです。

この統制下にあたる1942~1946年に製造されたジーンズたちは後に“大戦モデル"とも呼ばれ、今となってはその希少性から珍重される存在ながらも、当時はあくまで廉価的な位置づけで販売されたものでした。

リベットなどの金属部材は極力排除が鉄則。ボタンフライにも安価なドーナツボタンの使用が義務付けられ、ポケット内部のスレーキも軍余剰のヘリンボーン地へと細部にわたって簡素化を迫られました。

さらにブランドの象徴でもあるヒップポケットのステッチまでもが撤廃せざるを得ず、苦肉の策としてペンキで描き販売するブランドも現れるほどでした。(第三弾以降に続く)

 

そんな戦時下のヴィンテージアーカイブに着想を得たのが定番モデルの一角【451SW】です。

リベットなしのコインポケットやODカラーのヘリンボーンスレーキ、黒塗りのドーナツボタンといった大戦モデル独自のディテールワークを踏襲しつつ、ヒップポケットのバッファローホーンはペンキステッチが退色したあとでも形状が残るよう着抜加工で表現しています。

また先日ご紹介した【500SW】よりも0.25オンス肉厚な13.75オンスオリジナルデニムを採用しているのも、じつは大戦モデルへのれっきとしたオマージュです。

戦時中のため詳細な発表は当然ないものの、各国の識者たちは戦時下に採用されたデニム地が通常時よりもなぜかヘビーオンスであったとの見解を示しています。

線状ではなくあくまで点での色落ちを目指し、ムラ感を強調した独自開発のムラ糸は縦横ともに6.7番手を使用。縦横比で68本×48本の打ち込みからなる13.75ozのアメリカ産コットンで織られたデニム地に、ヴィンテージに見られる酸化したような風合いを表現すべく、サルファと赤みがかった濃色インディゴで染色しました。

当時の意匠に倣いセンターループもオフセット、各部補強には打ち抜きリベット、ややゴワつきのあるヘビーオンスデニムを採用し、戦時下のタフなデニムパンツを忠実かつ現代的に再現しています。

 

451SW

Price: 21,780yen~
Size: 28,29,30,31,32,33,34,36(38,40: 23,980yen)
Material: Cotton100%
Color: One Wash